「文化」をいただくから
美味しい

瀬良知也
株式会社ジェイアール西日本伊勢丹 代表取締役社長

昨年12月に地下1階食品フロアをリモデルオープンいたしました。年々国内外の観光客が増加する中で、お客さまの利便性や時代のニーズに合わせた品ぞろえでお応えできるよう、駅施設の最適化の一環として売場面積も拡大。おかげさまで多くのお客さまにご来店いただき、好調なスタートを切ることができました。
今回、出店いただいたパリの著名なパティシエが京都とパリが似ていることに触れられ、京都に親しむほどに感じることは「物語のある街」だというのです。茶の湯を見ても、道具に必ず銘や由来がある。物語を楽しむ文化が息づいていることを強調されておられました。
新しく出店いただいた老舗和菓子の店頭には、まるでポスターを貼るように、「茶道の祖」がしたためた掛け軸が掛けられていたことにも驚きました。お聞きすると「遊びです」とおっしゃるのです。本物を知るからこそ、このようなことができるのかと、その背景のお話とともに京都の奥深さにあらためて感動いたしました。
食品フロアのコンセプトは「Culture Foodie（カルチャー・フーディー）」。美味しさの定義はさまざまありますが、その美味しさがまとう「文化」を味わってこそ、共感や充足感も含めた「真の美味」が得られるのではないか、そんな願いを込めて、他の都市にはない物語にあふれた京都から、私たちの目指す「真のグローカルストア」をつくり上げてまいります。