これからの時代のリーダー
幅広い分野を学ぶ

森田嘉一
学校法人京都外国語大学 理事長・総長

かつては人生50年といわれていたものですが、いまは「人生100年時代」と呼ばれています。80歳や90歳になっても元気に暮らしていくためには、圧倒的な記憶の集積をアドバンテージに、大いなる志を持って、淡々とゆっくり、途中で燃え尽きたりせずに、穏やかな日々を過ごしていくことが大切だと思います。
とはいえ、世の中は速いスピードで進歩していますから、例えば、10年働いて世の中が進歩したら、大学でもう一度勉強し直す。そしてまた戻って仕事をする。何回も何回も勉強して、お互いを高め合っていかないと、AI（人工知能）が普及するにつれ、人間の脳は退化してしまいます。世界を引っ張っている企業で働いている人は常に勉強し、専門領域だけではなく、哲学とか美学といった分野までも深い知識を持っています。そういう世界を知って初めて、面白いアイデアも出てくるというものです。幅広い分野を学んでいかないと、これからの時代のリーダーにはなれないと思います。
大学の理事長という立場はハードなものですが、大学のレベルアップはこれからの日本の先行指標、だからこそ若い人を育てなければなりません。学生に元気がなかったら、10年後、20年後の日本が心配でなりません。いい教育をするため、お互いに切磋琢磨する教育環境を今年も引き続きつくっていきたいと考えています。