日本人の忘れもの 知恵会議  ~未来を拓く京都の集い~

本年は、和食文化「世界進出元年」

佐竹力総
株式会社美濃吉 代表取締役社長
佐竹力総

2013年12月「和食;日本人の伝統的な食文化」が世界無形文化遺産に登録され、いま日本の食文化の魅力が世界から注目されています。国内では農林水産省が主管となり「和食」文化の保護・継承国民会議が設立、京都でも、京都府、京都市、商工会議所と料理人が連携して「京都・和食文化推進会議」を設立、いよいよ和食文化の保護・継承・発展へと動き始めました。
そのような中、本年5月より、イタリア、ミラノ国際博覧会が「地球に食料を、生命にエネルギーを」をメーンテーマとして6カ月間開催されます。その中の日本館レストランに懐石料理店として「美濃吉」を出店します。
過去の「大阪万博」が日本の外食産業元年と位置付けられたように、ミラノ国際博覧会への出店が本格的な和食の「世界進出元年」になると捉えています。ミラノ国際博覧会では、和食や日本の食文化の魅力を国際発信する絶好の場と位置付けています。さらに20年には東京五輪・パラリンピックも開催され、国際的なビッグイベントが続くとともに、和食への関心も世界的に高まり、訪日外国人も大きく増加すると期待されます。和食文化を世界へ、まさに〝群羊(ぐんよう)を駆りて猛虎を攻む〟勢いで和食の伝道師として頑張る決意です。

株式会社 美濃吉
京都市東山区三条通白川橋東入ル3丁目夷町166/Tel.075-751-8881
http://www.minokichi.co.jp/

「安全・快適・信頼」が未来へのキーワード

粂田佳幸
彌榮自動車株式会社 取締役社長
粂田佳幸

「ヤサカ」の社名は、まだ自動車が珍しかった大正時代に、祇園「一力亭」専属のハイヤーを走らせた「合資会社 彌榮自動車部」に由来します。「彌榮」とは「益々栄える(いやさか)」を意味します。当社は本年、株式会社設立70周年、そして間もなく創業100年を迎えます。創業以来、一貫して「旅客運送事業を通じて地域社会に貢献すること」をモットーに企業活動を展開してきました。
当社のタクシー・ハイヤー・観光バスなど全ての事業は京都の伝統文化の中で育まれてきました。私どもには地元の皆さまに親しまれる身近な交通機関であるとともに、世界中から京都を訪れるお客さまを「おもてなし」する役割があります。
未来に向けた取り組みも始動しています。いち早くお客さまの元にタクシーを手配できるよう、デジタルGPS(衛星利用測位システム)など最新技術を導入したコールセンターを整備し、スマートフォン対応のシステムも先駆けて運用を開始しました。
「三つ葉のクローバー」は、京都で育まれた「おもてなしの心」を、「安全」 「快適」 「信頼」の三つの言葉で表しています。安全運転に徹し、お客さまに快適にご乗車いただく。その毎日の積み重ねが「信頼」となる。これこそが時代を超えた「ヤサカの精神」であり、未来へのキーワードであると確信しています。

彌榮自動車株式会社
京都市下京区中堂寺櫛笥町1番地/Tel.075-841-6261
http://www.yasaka.jp/

新たな価値創造ができる人材の育成

長田豊臣
学校法人立命館 理事長
長田豊臣

近年の急激なグローバル化の中、大学のあり方が厳しく問われています。明治国家が推し進め、戦後日本の急速な成長を実現する原動力となった学習能力のみを重視するキャッチアップ型教育システムは限界を迎え、教育に対する考え方や発想の根本的変革が迫られています。世界での活躍を目指す志の高い学生を新たな価値創造ができる人材に育てる、それが今、私たちに課せられている使命です。
「自由主義と国際主義」を標榜(ひょうぼう)した西園寺公望を学祖とする立命館は、その精神を引き継ぎ、いち早く国際化に邁進してまいりました。これまでの取り組みへの評価と期待から、昨年、立命館大学と立命館アジア太平洋大学(APU)は、文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択されました。
そして今春、立命館大学は「大阪いばらきキャンパス」を開設いたします。「アジアのゲートウェイ」をコンセプトの一つに掲げ、世界の閉塞(へいそく)的な状況を打開する知恵としてアジアを捉え直したい、アジア的教養と感性を有したグローバル人材を育成したいというのが、私の強い思いです。オーストラリア国立大学と開始する連携もその一環です。
立命館は京都で生まれ、京都に育てていただきました。地元・京都でいつまでも愛される立命館となれるよう、今年も誠心誠意、学園創造に邁進いたします。

学校法人 立命館
京都市中京区西ノ京朱雀町1/Tel.075-813-8300
http://www.ritsumei.jp/

永続的な成長へ日々チャレンジを

澤村 諭
ローム株式会社 代表取締役社長
澤村 諭

ローム株式会社は1958年の創業以来、50年以上にわたって京都の地で事業運営する半導体・電子部品メーカーです。現在はLSI(高密度集積回路)とディスクリートの事業を両輪とし、「LSIシナジー」「パワーデバイス」「センサネットワーク」「オプティカルデバイス」を四つの成長エンジンと位置付け、事業拡大を進めています。また、市場においても、民生機器に加えて自動車、産業機器、医療機器分野の開拓を促進しています。
変化の激しい時代を乗り越え、さらに発展を遂げていくには「守るべきものは守り」「変えるべきものは変える」ということが大切です。
創業以来、ロームには「われわれは、つねに品質を第一とする…文化の進歩向上に貢献する」という企業目的があり、不変です。また、チャレンジ精神、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神、スピードなどが今もそしてこれからも絶対に変わらないものとして息づいています。
このようなロームの良きDNAを継承しながら、新たな時代へチャレンジを繰り返すことで、次の50年においても「文化の進歩向上に貢献」し続けたい。これこそが、ロームの未来への思いであります。

ローム株式会社
京都市右京区西院溝崎町21/Tel.075-311-2121
http://www.rohm.co.jp

「甦れランジェリー」

塚本能交
株式会社ワコールホールディングス 代表取締役社長
塚本能交

行政の後押しもあり、「女性が輝く社会の実現」が急速に進んでいます。
大いに歓迎すべきことではありますが、男性は男性というだけでうかうかしていられませんし、女性も新たなマインドと、周りからのさまざまなサポートが必要になってきます。女性が輝きを増すこの機会に、何かお手伝いができないものかと考えてみました。
それは「ランジェリーの復活」です。
ブラジャーやガードルなど体型を補正するファンデーションに比べ、スリップやペチコートといったランジェリーは、今やすっかり影を潜めています。生活習慣の変化をはじめ、パンツスタイルの定着やファストファッションの台頭などが影響しているものと思われます。
かつて銀幕を飾った魅惑的なランジェリーの数々…。本来女性を美しく装うのはランジェリーです。
最近スカートをはいた女性を多く見掛けるようになったのは、ランジェリー復活の好機ではありますが、もちろんものづくりだけではなく、他業界とのタイ・アップや着用シーンの提案も必要です。
女性はお気に入りの下着を身にまとうと、不思議と心が豊かになります。まだ日本が戦後の荒廃に喘(あえ)いでいたころ、先代は「女性が心身ともに美しくいることで平和が続く社会」を願い創業しました。ランジェリーの復活が、新たなスイッチを入れ始めた女性たちの、心身ともに輝く一助になればうれしい限りです。

株式会社 ワコールホールディングス
京都市南区吉祥院中島町29/Tel.075-682-5111
http://www.wacoal.jp/

「感謝の気持ち」と「謙虚な姿勢」

安道光二
ワタキューセイモア株式会社 代表取締役社長
安道光二

今、私たちの目の前にある解決すべき大きな課題として、急速に進む少子高齢化、将来に向かっての人口減などがあると思います。日本が激しい変革に直面する中、ワタキューグループは、医療を取り巻く周辺事業(医療・福祉・介護・シルバー・レジャー・環境・薬局・給食・食材・総合メンテナンスなどのアウトソーシング・建築の設計施工など)を通じて皆さまの健康で豊かな生活に寄与すること、お客さまの要望に誠意を持って応え、高品質で決め細やかな「心」のサービスの提供を絶え間なく続けることが使命であり、社会的責任であると考えています。
2011年4月には「ワタキューグループ研修センター 一心館」を開館し、1年間の新入社員研修を通じて、挨拶(あいさつ)・礼儀・マナーを基本としたワタキューイズムを一人一人に教育する取り組みを始めるなど、社是「心」の基本方針をより深く浸透させるべく、人材の育成に力を入れています。
全ての社員が「感謝の気持ち」を持って仕事に取り組み、世の中の役に立っていることを実感でき、誇りを持って「ワタキューグループに勤めて良かった」と思える企業を目指したいと考えています。そのためにも今一度創業時の原点にたち還(かえ)り「感謝の気持ち」と「謙虚な姿勢」を忘れることなく、オンリーワン企業、一兆円企業を目指してまいりたいと思います。

ワタキューセイモア株式会社
京都市下京区烏丸通高辻下る薬師前町707 烏丸シティ・コアビル/Tel.075-361-4130
http://www.watakyu.co.jp/