Q そううつ病とは。
A そううつ病(双極性感情障害)は、そう状態とうつ状態を繰り返す病気です。うつ状態の症状はうつ病とほぼ同じであるため、落ち込んでいる姿だけを見てどちらであるかを鑑別するのは困難です。幅広い年代に発症しますが、10~20代での発症や、家族や親戚に同じような症状の人がいる場合はそううつ病である可能性が高まります。
Q そう状態の特徴は。
A 職場での昇進や引っ越しなどの人生における転機、生活リズムの乱れなどがきっかけでそう状態になることがあります。気分が高揚してよくしゃべり、落ち着きなく行動するようになるだけでなく、イライラして周囲の人とトラブルを起こしたり、後先を考えずに高額な買い物をするといった問題が起こる場合があります。ただ調子が良くて、テンションが少し高いだけのように見える軽いそう状態は、本人や周囲、医師でさえも気付かないことが多く、結果的に適切な治療を行うまでに時間がかかってしまいます。診察の時に、ささいなことでも教えてもらえると診断の材料になります。
Q 治療薬について。
A うつ病とそううつ病では治療方法が異なります。うつ病では抗うつ薬を使用しますが、そううつ病では気分安定薬や抗精神病薬を使用します。抗うつ薬を使用することもありますが、あくまで気分安定薬や抗精神病薬との併用であり、単独では使いません。薬を飲めば治るというものではなく、基本的には長く付き合っていく病気になるので、症状を抑えるために一人一人に合った薬を調合し、服用し続けてもらうことが大切です。やめてしまうと再発のリスクが高くなります。休養を十分に取って、気分転換を図りながら心と体にゆとりある生活を送ることが大切です。
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