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「レビー小体型認知症」
薬物療法で生活の質高める
京都市認知症疾患医療センター北山病院 医員
柏 由紀子 氏

京都市認知症疾患医療センター北山病院 医員 柏 由紀子 氏

 症状は。

 レビー小体型認知症は認知症患者の約20%を占め、中核的特徴として時間帯や日によって認知機能に変動が見られる、幻視、睡眠中に叫んだり暴れたりするレム睡眠行動障害、手足のこわばりや震えといったパーキンソン症状の四つが挙げられます。これらの症状のうち二つ以上当てはまる場合は、レビー小体型認知症の可能性が高いと考えられます。他にも、転倒や立ちくらみ、便秘、嗅覚障害、抑うつなどの症状が見られることもあります。アルツハイマー型認知症と比べると、初期の物忘れ症状が目立たない例が多いとされます。

 診断について。

 問診や脳画像検査、物忘れの程度を確認する神経心理検査などを行い、総合的に判断します。物忘れが軽い段階であっても、空間における物の位置関係が分からなくなる視空間認知障害、周囲に適切な注意が払えない注意障害、物事を計画して順序立てて実行することが難しくなる遂行機能障害などの認知機能の低下が明らかになることがあります。

 治療について。

 認知機能や幻視、うつといった症状を改善するドネペジル塩酸塩などの薬物療法を行い、QOL(生活の質)を高め、希望を持って社会参加をしてもらえるよう取り組んでいます。ただ、レビー小体型認知症は脳の神経細胞にレビー小体というタンパク質が蓄積することが原因で発症するということは分かっていますが、根本的な治療法は見つかっていません。認知症は進行性の病気ですが、予防には運動が効果的だといわれています。寝たきりを防ぐためにも、規則的な運動をすることを心掛けてください。また、パーキンソン症状は転倒でけがを起こしやすいため、住環境の見直しや周囲の理解を得ながら取り組むようにしましょう。何か困ったことがあれば医療機関で相談してください。

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