睡 眠

日本人の4人に1人が睡眠に悩みを抱える時代

良質な睡眠は、心身の健康に加えて、美しい肌や仕事の生産性の向上など、多くを与えてくれます。
ところが、日本の働く女性は世界でトップクラスに睡眠時間が短く、質に関して多くの人が満足していません。
近年、注目を集めている「睡眠負債」により、人生と仕事の質が低下しないよう、良質な睡眠にこだわりましょう。

半数が熟睡感を得られていない

良質な睡眠は、ストレスに強い心身づくりに欠かせず、先行研究では熟睡感を得られている女性ほど精神的アップダウンが少ないとされています。
しかしながら、京都の女性の約半数が熟睡感を感じられていない実態が明らかとなりました。

  • 【目覚めた時に熟睡感を
    感じますか】
    感じる11% 少し感じる39% あまり感じない43% 感じない8%
  • 【主観的な睡眠の満足度評価を
    してください】
    満足5% 不満足41% 普通54%
  • 【平均睡眠時間】
    4時間以上~5時間未満 27人 5時間以上~6時間未満 113人 6時間以上~7時間未満 135人 7時間以上~8時間未満 42人 8時間以上 8人

睡眠の質を高める習慣でQOL向上

京都の参加者のうち、日々熟睡感を得られている参加者はわずか11%であり東京より低い結果でした。
背景に、睡眠に影響を与える京都の日照時間の少なさ(47都道府県中33位)と、お茶文化特有のカフェインの摂取量の多さが挙げられます。
睡眠の質はメンタルのアップダウンや仕事の生産性、肥満、糖尿病などのリスクに影響することから、良質な睡眠がQOL(生活の質)の向上に有効といえます。

光が睡眠の質を司る

私たちの眠りに大きな影響力があるのが、「睡眠のホルモン」と呼ばれるメラトニンと、メラトニンをつくるのに欠かせない神経伝達物質のセロトニンです。
セロトニンは朝日によって分泌され、そこから14時間後にメラトニンが分泌されます。
朝日をきちんと浴びることは、良質な睡眠のために大切な習慣です。
日が沈むとメラトニンが分泌され、入眠に向けた準備が始まりますが、この時間に強い光を浴びるとメラトニン分泌の妨げになります。
間接照明を使い、スマホの使用を避けるなどブルーライトを浴びない工夫をしてみましょう。

体温が入眠の決め手

良質な睡眠を得るためには、体温との関係を知ることも大切です。
深い眠りほど体温は大きく低下し、就寝中は体温が約1度低下します。
寝つきの悪さに悩んでいる人も少なくありませんが、深部体温(体の内部の温度)が低くなるほど、寝つきやすくなることがわかっています。
自分でこの状態に持って行くためには、ぬるめのお風呂に入ったり足湯に浸かったりして、体を温めると体温が効率的に放熱され、深部体温が下がりやすくなります。

たんぱく質を片手一盛り食べよう

睡眠の質と食事で心がけたいことは、メラトニンの材料になるたんぱく質を欠かさず食べることです。
メラトニンの材料は、人の体では作り出すことができない必須アミノ酸の一つ「トリプトファン」です。
トリプトファン不足になると、不眠症の治療でも結果が出にくいことが報告されています。
トリプトファンを含むたんぱく質は毎食片手の手のひら一盛りを目安に、必ず食べるようにしましょう。

食物繊維が睡眠の質を高める

【食物繊維摂取量】
食物繊維目標量:18g / 日
充足者5% 不足者95%

近年、食物繊維が睡眠の質に影響を与えるとして注目を集めています。
米コロンビア大の研究では、食物繊維の摂取量が多いほど深い眠りの割合が増え、飽和脂肪酸(生クリームや肉の脂身など)の摂取量が多いほど深い眠りの割合が減ることが報告されています。(※)
食物繊維が多く含まれる精製度の低い炭水化物(低GI食品)を選ぶことが良い睡眠につながります。

※「Journal of Clinical Sleep Medicine 2016年1月号」“Fiber and Saturated Fat Are Associated with Sleep Arousals and Slow Wave Sleep”

監修/一般社団法人ラブテリ
【京都】
調査対象:「京都保健室」参加者 413名  調査時期:2018年6月8日~10日
サンプル数:20~30代の女性就業者のうち、妊産婦・授乳婦を除く328名
出典「京都保健室調査 Copyright© 2018 一般社団法人 Luvtelli All Rights Reserved.」
【東京】
出典「Will conscious Marunouchi『まるのうち保健室』調査」Copyright©︎ 2015 三菱地所株式会社・一般社団法人ラブテリRights Reserved.
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