「“美”自分力発揮」Vol.3 京都新聞子宮頸がん予防啓発キャンペーン/京都新聞



『子宮頸がんの現状』 「“美”自分力発揮」Vol.3 京都新聞子宮頸がん予防啓発キャンペーン
京都産婦人科医会 理事 足立病院 副院長 井上 卓也さんQ 子宮頸がんの原因と症状は?
A 子宮の入り口である頸部にできるがんで、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染によって発症します。HPVはごくありふれたウイルスで、性経験のある人はほとんどが感染するといわれ、通常は自然に排せつされます。感染状態が続くと異形成という前がん病変から、やがてがんに進行します。日本では子宮頸がんに罹患される女性は増加傾向にあり、とりわけ20〜40代の若年齢の方に増加しています。子宮頸がんは初めのうちはほとんど自覚症状がなく、出血や痛みなどが出たときは進行してしまっているということも少なくありません。20代でかなり進行したがん患者さんがいましたが「もっと早い段階で見つけられていれば…」と悔やまれました。

20〜40代に多いがん


Q 予防法と治療法は?
A 子宮頸がんの予防には、HPVワクチンと検診の併用が望ましいですが、HPVワクチンを接種しない場合には検診がより大切となります。初期段階で発見できれば、通常患部を切除するのみで子宮を切除する必要はなく、治療後の妊娠・出産も可能です。進行したがんの場合、手術、抗がん剤、放射線療法などを行いますが、治療後も足がむくんだり、排尿障害などが起こることがあります。昨年度、京都府では市町村が行った検診で454人の異形成、10人のがんが発見されました。受診率は20%程度なので、潜在的にこの5倍の患者さんがいると予測されます。子宮頸がんは対処が早いほど確実に治るがんでもあるので、まずは検診を受診してください。ホームページ(※1)で自分に合いそうな医療機関を探してみることも良いと思います。

なってから治すより早期発見・早期治療が大切


Q 検診は怖くないですか?
A 検診は子宮頸部を小さいブラシやヘラでこすり、採取した細胞を顕微鏡で観察します。京都府の検診ではほとんどの市町村で、以前の方法より検診精度が高い液状検体法が採用されています。内診は初めてだとハードルが高いかもしれませんが、ほぼ痛みはありませんし、数分の診察で何もなければ安心して生活を送ることができ、もし異常があっても治すことができます。他の婦人科疾患を発見できることもあり、女性特有の悩みがあれば一緒に相談もできます。定期的に受診していれば、必ず早い段階で発見して治療できるので、ぜひ少しだけ勇気を出してください。一度行けばあとは毎年、気楽に受診できますよ。

初めての受診に少しの勇気で、大きな安心を


※1 京都産婦人科医会ホームページ(kyoaog.jp)で、最寄りの医療機関が調べられます。




子宮の構造/がん発生・進行の仕方





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