子宮の入り口である頸部にできるがんで、原因はヒトパピローマウイルス(HPV)によるものが90%以上を占めます。HPVは性交渉によって人から人へ感染します。ほとんどは免疫力によって体外へ排せつされますが、中には細胞が正常ではない異形成と呼ばれる前がん状態を経て、自覚症状がないままがん化します。日本人の生涯罹患率は約1%(83人に1人)(※1)で、20代後半から40代に増えており、死亡者数は近年上がっています。
一度でも性経験があれば罹患している可能性
予防は性経験をする前のワクチン接種が望ましいですが、ワクチンで予防できないパピローマウイルスやウイルスがきっかけとならずに発生する頸がんも存在しますので子宮頸がん検診は早期発見に欠かせません。検診は子宮の入り口を小さなハケで軽くこするだけなのですぐに終わり、同時に他の婦人科系疾患の発見や相談も可能です。子宮頸がんは検診で発見しやすく正診率が高い病気です。しかし、日本の検診受診率は経済協力開発機構(OECD)加盟36カ国の中で最下位の約38%です。がん化してしまうと子宮を摘出しなければならなかったり、リンパ節への転移の可能性も出てきますので、早期の段階で発見することが大切です。
早期発見には検診が不可欠
その気持ちも分かりますが、検診を受けず不正出血をきっかけに受診し、かなり進行した状態で発見される方も少なくありません。インターネットで最寄りの検診機関(※2)を調べることができますし、お母さんが通院していた産婦人科を娘さんに紹介してあげるのもいいですね。自分に合う何でも相談できるかかりつけ医を見つけることで、今後も安心して暮らしていくことができます。京都府の検診受診率は全国43位の24.1%(※3)と低いです。20歳を過ぎれば、2年に1度は必ず検診を受けてください。
2年に1度は検診を受けましょう
※1 国立がん研究センターがん対策情報センター
※2 京都産婦人科医会ホームページ(kyoaog.jp)で、最寄りの医療機関が調べられます。
※3 国民生活基礎調査(厚生労働省大臣官房統計情報部)2016年