『“美”自分力発揮』Vol.2 健康美人・京都新聞 女性のための健康づくり応援キャンペーン/京都新聞


『“美”自分力発揮』Vol.3 健康美人・京都新聞 女性のための健康づくり応援キャンペーン/京都新聞2022年07月24日掲載

 京都新聞「女性のための健康づくり応援キャンペーン」ではより多くの女性が健康でいきいきした生活を送っていくために知っておきたい情報を3月〜11月まで、テーマごとに紙面やWEBを通して発信していきます。第1弾は予防しやすいがんといわれる「子宮頸(けい)がん」について井上卓也さんにお話をお聞きしました。連載2回目は4月より積極的な接種勧奨が再開された「子宮頸がんワクチン」です。

『“美”自分力発揮』第2回 子宮頸がんワクチンについて
京都産婦人科医会 理事 足立病院 副院長/検診センター長 井上 卓也さんQ 子宮頸がんの一次予防、二次予防とは?
A 子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染です。性交渉によって子宮頸部にHPVが感染すると、時間をかけて異形成からがん化する人がいます。がんの一次予防とはがんを予防することです。子宮頸がんにおける一次予防とは、性経験開始までの年齢に、HPVワクチンを接種し感染を予防することです。これにより、無接種に比べて7割近くの人に予防効果があるといわれます。がんの二次予防とはがんを早期発見・早期治療することです。子宮頸がんの二次予防として定期検診があります。子宮頸がんは予防ができる数少ないがんです。欧米では子宮頸がんは将来撲滅可能な病気と捉えられています。

子宮頸がんは予防のできるがん


Q ワクチンの種類と予防の仕組みは?
A HPVには多くの種類がありますが、中でも子宮頸がんになりやすい高リスク型が16型・18型の二つです。この二つの型の感染を防ぐ2価ワクチンと、これに尖圭(せんけい)コンジローマの原因となる低リスク型HPV6型・11型の予防効果を加えた4価ワクチンがあります。また、さらに予防範囲の広い9価ワクチンも最近発売されました。いずれも6カ月間に3回、同タイプのワクチンを接種します。2価か4価ワクチンについては、小学6年〜高校1年(接種完了時)までの年齢なら、全額公費で接種することができます。

3回接種で体に抗体を作る


Q 接種に当たっての注意点は?
A すでに性交渉があっても、まだウイルスに感染していなければワクチン接種の効果はあります。1997年度から2006年度生まれで対象年齢の間に接種を逃した方には、公費負担で接種の機会が提供される「キャッチアップ接種」の制度が設けられています。お住まいの市町村やかかりつけ医にご相談ください。接種の際には、ワクチンの効果や副反応について、パンフレットや厚生労働省のホームページなど関係機関の正しい情報を読み、理解した上で接種することが大切です。もし何らかの健康被害が出た場合は医師に相談しましょう。その際の救済制度などもあります。そしてワクチンを接種した後も検診は引き続き受けましょう。罹患(りかん)してあなたや家族がつらい思いをする前に、ワクチン接種と定期検診で子宮頸がんを予防しましょう。

正確な情報を得てきちんと予防しよう


※1 京都産婦人科医会ホームページ(kyoaog.jp)で、最寄りの医療機関が調べられます。




〈ワクチンの種類と効果〉


京都市からのお知らせ「子宮頸がん検診について」




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