『“美”自分力発揮』Vol.1 健康美人・京都新聞 女性のための健康づくり応援キャンペーン/京都新聞


『“美”自分力発揮』Vol.1 健康美人・京都新聞 女性のための健康づくり応援キャンペーン/京都新聞2022年04月24日掲載

近年、子宮頸(けい)がんと診断される20代30代女性が増加しています。しかし、子宮頸がんはがんの中でも「予防しやすいがん」といわれ、がん予防の正しい知識を持っていれば決して怖い病気ではありません。京都新聞「女性のための健康づくり応援キャンペーン」では「子宮頸がん予防」をテーマに専門の医師にお話しをお聞きしました。第1回目は「子宮頸がんを知る」です。

『“美”自分力発揮』第1回 子宮頸がんを知る
京都産婦人科医会 理事 足立病院 副院長/検診センター長 井上 卓也さんQ 原因と症状は?
A 子宮頸がんとは子宮の頸部(入り口)にできるがんで、性交渉による高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。HPVはどこにでもいるウイルスで、性経験があるほとんどの人が生涯に1度は感染します。感染しても9割は免疫力で自然に排除されますが、1割程度は感染が持続する人がおり、頸部の細胞がHPVの影響を数年〜10年ほど受け続けると、異形成(軽度、中等度、高度)という前がん状態を経て子宮頸がんに進行するのです。
 がんの進展度合いでステージが決まり、ステージはI期からIV期までに分類されます。T期にも、IA期、IB期があり、IA期の中でもIA1期(浸潤の深さが3ミリまで)までに見つけることが重要です。IA2期以上に進行するとリンパ節などへ転移している可能性があるからです(図1)。異形成から子宮頸がん初期の段階では自覚症状はありません。ステージTの後半くらいになると性交渉などの際に不正性器出血を自覚するようになり、さらに進行すると下腹部や腰に痛みも感じるようになります。

高リスク型HPVウイルスの感染が続くとがんに


Q 治療の方法は?
A 将来妊娠を希望されている方の場合には妊孕(にんよう)性(妊娠する力)を残す治療法を選択できるかが重要です。一般に高度異形成以上になると治療が必要になりますが、高度異形成からIA1期までなら、患部を円すい形に切り取る円すい切除術で治療することができ、妊孕性を残すことができます。進行すると子宮全体を摘出しなければならず、妊娠出産を望む人には辛い選択になります。また、子宮だけではなく子宮周囲の組織やリンパ節も含めて切除する必要もあり、がんが治癒しても後々排尿障害や足がむくむなどの後遺症が残り、QOL(生活の質)を落としてしまう場合もあります。手術以外にも放射線治療という選択肢もありますが、卵巣に放射線が当たってしまうため妊孕性を残すことはできず、排尿障害や下血などの後遺症の可能性もあります。最近、頸部のみを大きく切除して子宮体部を温存し妊孕性を残す手術法(広汎(こうはん)子宮頸部切除術)など新しい治療法も考案されていますが、まだ一般的ではありません。異形成のうちに見つけて対処しておくのが大切なことなのです。

早期発見・早期治療でより良い予後を


Q 予防法は?
A 原因がウイルス感染だと分かっているので、性交渉経験のない10代でワクチンを接種するのが最も効果的です。小学校6年〜高校1年の年齢なら、子宮頸がんを起こすリスクが高いHPV16型、18型をカバーした2価、4価ワクチンを公費補助で受けられます。
 すでに成人していれば、備えとして重要なのは定期的な検診です。子宮頸がんは早く見つかれば治りやすいがんでもあります。それだけに早期発見・早期治療できる定期検診は、とても大切です。検診時に、他の疾患が見つかることもあり、気になる症状を相談することもできます。自分自身の体を守るために、ぜひ婦人科のかかりつけ医を持って最低でも2年に1回は受診してください。

ワクチン接種と定期検診で予防を


※1 京都産婦人科医会ホームページ(kyoaog.jp)で、最寄りの医療機関が調べられます。




初期子宮頸がんのステージ


京都市からのお知らせ「子宮頸がん検診について」




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